競馬とは競走馬が走るレースです。つまり、どのようなレースであっても走りきった時のタイムが出ます。レースを走りきった時のタイムの事を走破タイムと呼び、これが非常に重要な予想ファクターの一つとして、多くの競馬ファンが予想の参考にしています。
走破タイムの難しい点としては、ただ単純にタイムが速ければ良いというものではないという点。タイムを参考にする時に考えなければならないコツを理解していなければ、走破タイムを使ったより良い競馬予想を展開していく事は出来ません。
この記事では走破タイムを使った競馬予想の方法を紹介していきたいと思います。タイムのどの点を見るのか、走破タイムを使った予想はどのようにして展開していくのか、その点について紹介していきますので是非参考にしてみて下さいね。
そもそも走破タイムとは
走破タイムを使った予想方法を紹介していく前に、そもそも走破タイムとは一体何なのかという点について紹介していきましょう。
速ければ良いものではない
競馬初心者の方が勘違いしてしまうのが、走破タイムは速ければ速いほど良いというものです。競馬というスポーツはタイムを競うものではありますが、陸上競技のようにタイム至上主義ではありません。大切なのは勝つ事なので、全力で走らなくても勝てるレースであれば最後の方は流して走っても良いという訳です。
実際に競走馬の脚は非常にデリケートなので、最後まで全力で走らせると怪我のリスクを上げてしまいます。ダービーをレコード勝ちという素晴らしい走破タイムで完勝したドゥラメンテも、レースが終了した後に故障が見つかりました。このような結果を見ても、レコード勝ちで素晴らしいタイムで勝つ事よりも、重要なのは他の馬に勝ることであるというのが分かります。
極論を言えば、走破タイムがどれだけ遅くてもレースに勝って1着になれば良いのです。レースに勝利して1着になる事が出来れば走破タイムが遅くても誰も文句は言いません。走破タイムはそういった意味で、速ければ良いと言うものではないという事が分かって頂けたかと思います。
ラップタイムを覚える
走破タイムを取り入れる為に覚えておく必要があるのがラップタイムです。ラップタイムとは200メートル毎に計測するもので、スタートからその地点までの所要タイムの事を指します。200メートルをハロンという単位で数えます。
競馬中継を見ていて「はじめの5ハロンのタイムは63秒」と言った実況を聞いた事はありませんか?これを解説すると、スタートから1000メートル地点を経過するまでに63秒かかったという事になります。
基本的にラップタイムの平均は12秒です。ハロンを積み重ねて最終的にゴールした時のタイムが走破タイムという事です。2000メートルは10ハロンという事になりますので、10ハロン×12秒で基本的には144秒のタイムという事になり、大体2分20秒くらいで決着するのが基本的な走破タイムという事になります。
もちろん走破タイムはその時のレース展開や競馬場の馬場状況などで大きく変化していきます。しかしラップタイムの平均時間は覚えておくのが良いでしょう。覚えておくと、このレースは速い展開になっているのか、それとも遅い展開になっているのかという指標を見つける事が出来ます。
走破タイムを活用して馬券を的中させる方法
上記で紹介したように、競馬において最も重要な事は走破タイムではなく勝つ事が出来たかどうかです。どれだけ速い走破タイムであってもレースに負けてしまっては意味がありませんし、どれだけ走破タイムが遅くても勝てば良いのです。
それでは一体どのようにして走破タイムを馬券に活用すれば良いのでしょうか?ちょっと不可解ですよね。走破タイムを活用した馬券術については、以下の方法を是非取り入れてみて下さいね。
短距離に注目
走破タイムを参考にすべきレースは短距離です。長距離は走破タイムを参考にして予想をしても、参考にならないケースが多いのですが、短距離は走破タイムが重要な予想ファクターになるケースが多いです。
その理由は、短距離ではスローペースになる事が少なく、ある程度一定のペースでレースが進んで行く事が多い為、本来の馬自身が持っているポテンシャルやスピードを発揮できることが多いというのが最大の理由です。
反対に長距離では前半から飛ばす馬が少なく、スローペースの展開になる事が多いので、どこで誰が仕掛けるかで大きく走破タイムが変更していきます。長距離レースの走破タイムは参考にならないというのがプロ馬券師の方の言い分で、レース展開次第で簡単にタイムが変更していきますし、先頭の馬であっても後続の馬が追ってきていない状況であれば、最後の1ハロンはゆっくり流す展開になる事が多いので、走破タイムも自然と遅くなります。
短距離は走破タイムを参考にしやすく、長距離は走破タイムは参考にしにくいと考えておけばいいでしょう。走破タイムが速い馬は短距離で結果を出しやすい傾向にありますので、前走が短距離の馬である場合は、その時の走破タイムを参考に予想を組み立てていくというのも重要です。
芝よりもダート
走破タイムを参考に予想を組み立てていくのであれば、芝コースよりもダートの方が良いです。その理由は芝の特徴にあります。
開催日数が増えていく程に芝は傷みます。痛んだ芝は非常に走りにくく、タイムを出しにくくなりますので、走破タイムは比較的遅くなります。走破タイムが遅い馬であっても、その時の芝の状況はどうだったのかを確認しておくのが良いでしょう。走破タイムが遅い=弱い馬だと断定できない理由の一つに、その時の馬場コンディションが上げられます。
反対にダートコースはどれだけ開催日数が続いたとしても痛むという事がありません。反対に馬場状態が悪くなり雨になればダートはコンディションが良くなり、走破タイムは速くなっていきます。
という理由で、芝よりもダートの方が走破タイムを使った予想をするのは簡単になります。ダートの方が馬場状態で走破タイムに大きな影響を与える事は少ないので、ダート専門の馬で走破タイムが速い馬は、期待通りの走りを見せてくれる事が多いです。
反対に芝をメインにしている馬の場合は、馬場状態で大きく走破タイムが変化していきますので、期待を下回るレースをしてしまう事も十分に考えられます。
上がり3ハロンのタイムに注目
走破タイムに注目するのではなく、上がり3ハロンという最後の直線600メートルのスピードに注目する方法がオススメ。
上がり3ハロンは全ての馬が全力を出す場面です。つまり、馬の底力をその上がり3ハロンで見る事が出来るという訳です。上がり3ハロンが速い馬は強く、走破タイムよりもこちらを重要視する人はとても多いです。
走破タイムは上記でも説明したように、レース展開や仕掛けのタイミングなどで大きく変わりますが、上がり3ハロンはレース展開に関係なく、全ての馬が全力で走るタイミングになりますので、レース展開などに左右されず、本来の馬の強さを測ることが出来るんです。
という訳で走破タイムが遅く、レース結果も1着になれなかったけども上がり3ハロンは1番早かったという馬を見つける事が重要で、そういう馬はレース展開に恵まれなかっただけで、展開に恵まれれば好走する可能性が極めて高い事を意味しています。
重馬場か不良馬場に注目
水分含有量により、JRAは毎回レース前に馬場状態を公表しています。この馬場状態が重馬場か不良馬場だった場合は走破タイムを使った予想が非常に効果的です。
その理由は、重馬場以上の悪い馬場になってくると、速く走る力が要求されるからです。芝状態が悪くなってくると、馬は脚を取られる為に本来のスピードで走る事が出来ません。良芝の場合は走りやすいのでタイムが出やすいのですが、重馬場の場合は走破タイムが遅くなっていきます。
そうなってくると元々持っている馬の速さやスピードが非常に重要になってきます。つまり、タフな馬が勝つという訳です。午前中のレースの状態や天候、土曜日のレースを、見た後の日曜日の馬場状態などをしっかりとチェックしておく事が大切です。
天気予報を見て、明日の天気をチェックし、確実に雨がふり重馬場になりそうだった場合、走破タイムの成績がいい馬を調べてみるのが良いと思いますよ。
基準タイムと比べる
走破タイムを基準タイムと比べて、馬場差を考慮しながら馬の実力を推し量っていくという事もオススメです。基準タイムとは、その日の走破タイムを調べて計るものもあれば、過去を遡って計算するものもあり、その方法は人それぞれですが、走破タイムと基準タイムを比較して馬の強さを比較検討している人は多くいます。
走破タイムに重点を置いて予想をしている人の多くは、自分で基準タイムを作っている人が多く、全ての競馬場、全てのコースや条件で基準タイムを持っています。
今の時代であれば簡単に検索して基準タイムは見つける事が出来ますので、気になっている馬の走破タイムと比較して、どれ位のペースで走って何着になるかを予想してみるのが良いでしょう。走破タイムをベースに予想を展開してくのであれば非常に重要です。
まとめ
走破タイムをベースにした競馬予想方法を紹介してきましたが参考になりましたでしょうか?競馬においてタイムは重要ですが、タイムよりも着順の方が大切なので、走破タイムをレース予想の重要なファクターにしている人は少ないです。
しかし、実際に走ったタイムなので見過ごす事も出来ないのが実情です。過去レースを見て、本気で走り切っているか、最後に手を抜いてるかどうかを見るのは重要ですが、過去レースと走破タイムを見比べてみるのは重要です。
特に若い馬の場合は走破タイムにより実力を推し量ることは当然重要な要素になっていきますので、上がり3ハロンだけでなく走破タイムにも注目してみましょう。馬柱で見る事が出来ますので、レース予想の一つのファクターには十分になりますよ!