競馬予想において重要なファクターの一つとして重要なのは負担重量です。負担重量を知る事でハンデキャップ戦などで優位に予想が組み立てることができます。負担重量は1kg増えるごとに1馬身分=0.2秒程度遅くなるとも言われており、レース展開にも影響を与えてきます。
しかし、競馬予想をする方の中には負担重量は大して影響がないという考えをお持ちで予想のファクターに加えない方もいますが、少なからず負担重量は少なからずレースに影響を与えるので、この記事で負担重量の基礎知識を覚え、予想のファクターとして取り入れましょう!
負担重量とは?
競馬とは騎手(人間)が乗り走るレースです。つまり、騎乗する騎手によっては体格差が出てきてしまい、競走馬に載る重量が異なり馬ごとの負担に差が出てきてしまいます。
この差を無くす為に、競走馬は斤量と呼ばれる騎手や鞍を含めた負担重量を背負ってレースに出走します。
具体的に負担重量に含まれるものは、「騎手の体重」「馬の装具」の重さの合計値となっています。あまり知られていませんが、実は騎手が装着するゴーグルは負担重量に含まれていません。
負担重量は馬の実力には関係していますが、競馬ファンの思っている以上にレースへの影響は少ないものです。しかし、少ないからと言って負担重量を予想のファクターから外してしまうと予想の精度は下がってしまいます。
その為、少ない影響だからファクターに含ませないのではなく、負担重量の知識をしっかりと持ち、予想のファクターの一つとして考えるのが妥当でしょう。
騎手は体重管理が非常に大変!
レースに出場する競走馬には各馬が背負う負担重量が決まっています。
その為、騎乗予定の競走馬の負担重量が低かった場合、その競走馬に合わせて騎手も体重を落とさなければなりません。逆に負担重量に満たなかった場合には100~500ぐらむ刻みの鉛等を装着して調子する必要が出てきます。
負担重量は競走馬にも影響がありますが、鉛等を身に着けた騎手は動きづらくなってしまい、それこそレースに影響を与えてくるでしょう。なので、騎手は常に騎乗予定の競走馬の負担重量に合わせた体型維持が必要になります。
レースごとに異なる負担重量の決め方やルール
負担重量のルールによって下記の4つのレース区分に分けられています。
・馬齢戦
・定量戦
・別定戦
・ハンデ戦
馬齢戦、定量戦、別定戦はルールに基づいて負担重量が決められます。そして、別定戦とハンデ戦は各馬の実績や競争能力によって負担重量が異なるのを覚えておきましょう。
定量戦・馬齢戦
定量戦はG1などの競走馬の実力そのものがレース結果に反映されるレースなどに採用されるレース区分です。
馬齢戦は2,3歳時に牡馬と牝馬の成長力に差がある時期に採用されるレース区分となっています。
別定戦
別定戦は対象の競走馬が獲得しているタイトルや賞金額によって負担重量に差を付ける必要があるレース区分です。主にG1の前哨戦などのG2で採用される事が多くあります。
ちなみに、G1タイトルを獲得している競走馬であれば+2kg、G2を獲得している競走馬は+1kg、獲得賞金が2,000万円毎に+1kgなど、レースによって負担重量が異なります。
ハンデ戦
ハンデ戦は負担重量が大きく関わってくるレース区分で、JRAに所属している「ハンデキャッパー」と呼ばれる方が、出走する競走馬の過去の実績や成績などを考慮し、レースで差が広がらなくする為に負担重量を決めるレースとなっています。
レース区分以外にも負担重量が軽減されるケース
上記の様に負担重量はレース区分によって定められていますが、レース区分以外でも負担重量が軽減されるレースも存在します。
馬齢
1つ目は馬齢によって異なる負担重量軽減です。
夏のシーズンになると、3歳馬は4歳以上の古馬と呼ばれる競走馬と共にレースを走る事があります。3歳馬は体がまだ完成していない事が多く、3歳馬には負担重量の軽減が行われます。
ちなみに6月だと5kg、7月ならば4kgなどの様に3月になるまで4歳馬や5歳馬と対等に戦える様に負担重量の軽減が行われるのです。
減量騎手
2つ目は減量騎手が騎乗する場合です。
減量騎手とは騎手としてデビューしてから5年以内の騎手の事で、通算勝利数が30勝以下なら3kg、50勝以下なら2kg、100勝以下なら1kgの負担重量の軽減が行われます。
競走馬の成績だけではなく、騎手の成績によっても負担重量が軽減される事があるのは覚えておきましょう。
南半球産の馬
3つ目は南半球産の馬に与えられる負担重量の軽減です。
なぜ、南半球産の競走馬に負担重量の軽減が与えられるのかというと、南半球産の馬は北半球産よりも約半年産まれるのが遅いので、成長に差が出てきてしまいます。
年齢や距離によっても異なりますが、その多くは1kg~4kgの負担住侶の軽減が行われています。
負担重量が競走馬に与える影響
ここまでで、負担重量のルールや基礎的な知識について解説しました。
しかし、実施に負担重量がどの様に競走馬に影響を与えていくのでしょうか?
競馬予想のファクターにも非常に関わるとなるので、ぜひ参考にしてください。
負担重量1kgでどの程度の影響があるのか?
負担重量が1kg、2kg程度ならレース結果に影響が出ないと考えられがちですが、負担重量が1kg増える事によって1馬身分=0.2秒程度遅くなると言われています。日本ダービーの牡馬なら負担重量が57kgと、牝馬より負担重量が2kg重いので簡単に2馬身分遅くなる計算になるでしょう。
しかし、体重が400kg~500kg以上もある競走馬から見ると1%程度の重さなのにそれ程の影響があるものなのでしょうか?
確かに、競走馬の体重から見ると1kg,2kgの負担重量は微々たるもので直ぐに影響が出てくるものではありません。とは言え、競争距離が長い場合には1kg,2kgの負担重量の影響でスタミナを消費し、最後の脚を見せることができなくなる場合もあります。
この疑問を持つ競馬ファンは多くおり討論を交わしている方もいますが、実際に断定的な答えが出ていないのが現状です。
レースごとに出走馬やコースの馬場状態などが異なるため、ハッキリした事が言えない様ですが、一般的に距離が長くなってしまうと負担重量の影響が露骨に出てしまうこと、
一般に一定の重さまでは負担重量の影響は微々たるもの、距離が伸びれば斤量の影響が大きくなること、と言った見方をすれば良いかもしれません。
芝のレースでの影響
芝で行われるレースでは負担重量の影響が大きく出てきます。
負担重量が重くなってしまうと、地面との反発力が下がってしまい瞬発力が下がります。そのた、別定戦やハンデ戦で斤量が重い馬は前々で競馬をしたり、スパートの仕掛けが速くなる傾向がある事に注目です。
また、芝の重馬場の場合にはさらに負担重量の影響が出てくるでしょう。重馬場というだけでも良馬場よりもパワーが必要なのに負担重量が増えてしまうと、さらなるパワーが必要となってきます。良馬場のレースでは実力ある馬が負担重量を背負った馬が軽い馬に負けてしまう事があるのは、これが一番の理由かもしれません。
ダートのレースでの影響
ダートの場合は芝のレースとは傾向が異なっています。ダートで競争する馬のほとんどは500kgを超える大型の馬が多いため負担重量が1kgや2kg程度増えたところであまり影響がありません。重馬場の場合でも良馬場よりもパワーを必要としなくなるため負担重量の影響を受けない事が多いです。
そのため、ダートのレースの場合に限り負担重量を競馬予想のメインのファクターから外しても良さそうです。
負担重量が重いと不利なのか?
負担重量が多い=不利と考えられがちですが、本当に負担重量が重いと不利になってしまうのでしょうか?
過去にハヤブサペコチャンという馬がいました。この馬は過去にダート1700mmで55キロの負担重量を背負い1分45秒8の記録を出しています。そして、その後、2勝クラスになって負担重量51キロに減ったにも関わらずダート1700mで1分46秒1で走っています。
この時のレースでは負担重量が軽く、馬場状態も「やや重」でスピードが出やすい状況だったにも関わらず約1秒記録が下がってしまっているのです。
上記でもお話した通り、1kg増える事によって1馬身分=0.2秒程度遅くなるというのが一般的ですが、このハヤブサペコチャンの事例を見ると、1馬身分=0.2秒程度遅くなるというのは必ずそうなる訳ではないと覚えておきましょう。
出馬表の印の意味
スポーツ紙や出馬表には☆、△、▲といった印が付けられている選手がおり、各記号の意味は下記の通りとなっています。
免許取得年数 | 通算25勝以下 | 通算26勝以上50勝以下 | 通算51勝以上80勝以下 | 通算81勝以上 |
初の免許取得後1年未満 | ▲(3kg減) | △(2kg減) | ☆(1kg減) | 減量しない |
初の免許取得後1年以上2年未満 | △(2kg減) | △(2kg減) | ☆(1kg減) | 減量しない |
初の免許取得後2年以上3年未満 | ☆(1kg減) | ☆(1kg減) | ☆(1kg減) | 減量しない |
まとめ
以上、競馬予想のファクターの一つ負担重量に関して解説しました。負担重量はレース区分によっても変わり、少なからずレース結果に影響を与えます。競馬予想のファクターとして負担重量を加えるのであれば
・負担重量1kg毎に1馬身分=0.2秒程度遅くなる
・芝のレースでの影響
・ダートでの影響は少ない
という事は覚えておきましょう。
競馬ファンの中には負担重量は関係ないと考える方もいますが、予想のファクターの一つとして加える事で、さらなる予想の精度の向上に繋がり競馬予想の的中率向上につながっていきます。ぜひ皆さんも負担重量の基礎知識を覚え競馬予想のファクターに加えましょう!