競馬における位置取りは非常に重要なファクターの一つとなっています。
脚質によって有利な位置取りがあり、その位置取りをキープしなければ勝利に繋がる事はないかもしれません。
また、競馬新聞などには位置取りデータというものが記載されていて、そのデータから過去のレース展開を把握する事ができるのです。
過去の位置取りからレース展開を把握する事によって、今後のレース展開予想にも役に立ちます。
この記事では位置取りの基礎知識や過去の位置取りデータから読み取る方法について解説していきます。
位置取りとは
まず、位置取りについて簡単に説明すると、位置取りはレース中に走っている馬の位置を表します。先行馬や逃げ馬はレースの先頭を走ったり、差し馬や追い込み馬はレース中盤から力を出せる様にペースを考えて走っています。
また、競馬には枠順がありレーススタート時の場所も競馬予想には重要となってきます。
そのため、レース中の騎手の馬の動かし方には注目すべきです。そして、競馬は馬の客室によって有利な位置をキープできるかどうかが勝利の鍵となってくるでしょう。
過去の位置取りのデータを見る事によって、その馬のレース展開なども予測する事ができ、予想のファクターとしては要となります。
脚質とは
競馬の位置取りに関係性の高いものとして「脚質」というものがあります。
脚質は「逃げ馬」「先行馬」「差し馬」「追込み馬」の4種類に分けられます。
ダートだと逃げや先行が有利だったり、JRAの芝だと差しや追いが有利だったりと、脚質による傾向があるので覚えておきましょう。
逃げ馬
逃げ馬とはレース開始直後から先頭をキープし、そのままゴールする脚質を指します。
逃げを得意とする馬は、闘争心が高く他の馬よりも前にでる闘争心の高い馬や、馬群の中を苦手として追われるから逃げるというイメージの馬がいます。
闘争心の高い馬はペースを掴んで先頭をキープできれば実力を発揮しますが、気が荒い為、自分勝手に走ってしまい走るペースが上がり、最後にスタミナ切れになってしまう事もあります。
逆に馬群を嫌う気弱な馬は単調なペースで走る事が多いため、一度抜かれてしまうと抜き返せなくなってしまうので注意してください。
先行馬
先行馬とは逃げ馬の後ろを走り、最終著効戦で逃げ馬を抜く走り方をする馬の事を指します。騎手は逃げ馬のペースを確認し、ペースが落ちてきたところを狙って追い抜く必要があるため、最後に力を出せるスタミナが必要となってくるでしょう。
一般的に先行馬はレース中に不利になる事が少なく、実力を発揮しやすい脚質と言われています。
先行馬は馬群に飲み込まれてしまう事もあるため、馬群を苦手としない正確やスタート直後の加速力も必要となるので、騎手の言うことを聞く性格や能力の高い馬が先行馬に多いです。
差し馬
差し馬はレース終盤の最終コーナーあたりからスピードを出して、一気に先頭に出る脚質の馬です。差し馬には瞬発力が重要となっていて、騎手の指示に対してすぐに加速できるかどうかが要となっています。
差し馬は馬群に飲み込まれたりするので、他の馬が巻き上げた砂を浴びても嫌がらない性格や瞬発力が必要な馬が多い傾向があります。
G1などの重賞の場合、騎手らも「勝ちたい」という気持ちが前にでてハイペースなレースになる事が多く、その際には差し馬が有利とも言われているのです。
また、ダートの場合踏ん張りにパワーが必要な為、差し馬では差しが決まりづらくなってしまう事も覚えておきましょう。
追い込み
追い込みは最終直線で一気に加速し、前方にいる馬を全て抜いて先頭に出る脚質の馬を指します。最終直線で勝負を賭けるため、スタートのダッシュ力や瞬発力が低い馬がこの戦法を取る事が多いです。
馬群を嫌がる馬の場合、馬群から外れて走ってしまうため、走行距離が他の馬と比べると長くなってしまい、スタミナを消費してしまいます。
また、基本的に追い込み馬は最終直線まで馬群の後方でペースを取っているため、最終直線でも馬群が邪魔になってしまう為、不利になる場合もあるのは覚えておいてください。
追い込み馬は一般的に最後の直線が長かったり、直線が坂になっている場合には勝率が上がるので狙ってみるのも良いかもしれません。
有名な追い込み馬はディープインパクトやキタサンブラッグがおり、多くの名馬がこの追い込みの脚質でもあったりします。
脚質ごとの位置取り
ここまでで、各脚質のタイプや馬の特徴について解説しました。各脚質ごとにペース配分が違うため、その位置取りは様々です。
そこで、こちらでは各脚質の位置取りはどのようなものなのか解説していきます。
逃げ馬
逃げ馬はレース開始直後から素早いスタートを切り、先頭を位置取りします。逃げ馬が一頭であれば問題ありませんが、2頭以上いた場合にはお互いに先頭争いになってしまうためハイペースのレースになります。
逃げ馬の有利な点は、先頭を位置取りする為、最短の走路を走る事ができるでしょう。
しかし、デメリットとしては先頭を走るが故に他の馬と比べて空気抵抗を受けてしまい体力を奪われてしまう事もあります。
逃げは先頭を位置取りするため、スタートダッシュの上手さや先頭をキープできるスタミナが必要とされています。
先行馬
先行馬は逃げ馬の2番手から5番手くらいの位置取りをします。2番手から5番手くらいのペースで走り、コーナーを超えた後の直線で逃げ馬を追い越し先頭に立つ位置取りをします。
この際に逃げ馬を抜くことができれば、逃げ馬は前を他の馬に走られる事が嫌いな為、追い抜される事はあまりありません。
先行馬は馬群に飲まれてしまっても先頭の方を走り、いつでも先頭に立てる位置取りをキープします。
しかし、逃げ馬のペースが早すぎてしまう場合、先行馬も追いつこうと、ペースを上げなくてはいけないのでスタミナ切れになってしまう事が多いので注意が必要です。
差し馬
差し馬は馬群の中に潜み、後方から先頭にいけるチャンスを伺う位置取りをしています。
最終コーナーあたりからペースを一気に上げて先頭に立とうとします。
馬群の中から抜け出して先頭に立つ必要があるため、馬群の中の位置取り次第では、馬群から抜け出させずに負けてしまう事もあります。
追い込み
追い込みは馬群の最後尾あたりに位置取りしていて、最後の直線で一気に勝負をかけてきます。追い込み馬は馬群の中で位置取りするのでないので、馬群を意識せずに走ることができます。
しかし、後方から一気に勝負を賭ける必要があるため、それなりのスタミナとパワーが必要となってくるでしょう。ダートコースや荒れた馬場の場合には踏ん張りが効かず、一気にスピードを出せない場合が多いので注意してください。
過去の位置取りデータからレース展開を分析
競馬新聞などには、過去の位置取りのデータが掲載されています。その位置取りのデータに最終的な着順を加える事で、スタートからゴールまでのレース展開を知る事ができるでしょう。
つまり、位置取りのデータを見る事によって、過去のレース展開を具体的に理解する事ができ、対象の馬の位置取りや得意なレース展開についても分析する事ができます。
過去の位置取りデータを見る事ができるようになれば、今後のレース展開も予想しやすくなってくるので、ぜひ位置取りデータは見れるようにしておきましょう。
こちらでは、位置取りデータから見て取れる例を紹介していきます。
良い位置どりなのに着順が悪い
位置取りを見ていくと「1,1,1」と常に先頭を位置取りしているのに、最終的な結果が9着など着順が悪い場合です。この場合は4コーナーまでは先頭で逃げいていたが、後続の馬に捕まって着順が下がってしまったということでしょう。
強い脚を持っている馬であれば、後続の馬に捕まってしまっても粘り、2,3着になるはずです。
この事からも、ペース配分を間違えハイペースで飛ばした結果スタミナ切れを起こした、体調が下降気味などと敗因を分析意できるでしょう。
常に中団待機
例えば10頭程度のレースで「6,5,6」と位置取りが書かれていて結果は6着だったとしましょう。この場合、常に馬群の中にいてその位置をキープし続けていたと考えられます。逃げができた訳でもなく、差しなどで勝負に出たわけでもなく、何の見せ場も作れなかったという事が分かるでしょう。
常に後方
位置取りデータに「11,12,12」と書かれていて結果が10着だったとしましょう。この様なレースの場合、レース中に勝負を賭けることもなく、他の馬について回っただけのレースと言えるので、この様な馬は外しても良いかもしれません。
致命的な出遅れは位置取りに不利
どんな脚質であっても、スタートで出遅れてしまうと結果的に良い位置どりを取るのが難しくなってくるでしょう。レース中に良い位置どりを取ろうとすると無駄に脚を使うので十分な実力も発揮できなくなってしまいます。
競馬新聞には位置取りの数字ではなく、「出遅れ」と記載されている事があるのでチェックしてみてください。
過去に何度も出遅れている馬には注意!
競走馬の中にはスタートが苦手で何度も出遅れてしまう馬がいます。
その様な馬が1枠1番に入った時には注意してください。
枠入りは基本的に奇数の内枠から入っていくため、先にゲートに入り他の馬が枠入りするのを待つ必要がでてきます。そのため、狭いゲートで待っていると更に出遅れする可能性が高まるので注意しなければなりません。
まとめ
競馬で勝利に1着を取るために必要な位置取りについて解説しました。
位置取りは脚質によって異なり、レース展開において非常に重要なものとなってきます。
そして、過去の位置取りデータの見方を知る事によって今後のレース展開の分析を行う事ができます。
ぜひ皆さんも各脚質の位置取りを覚え、競馬新聞などから過去のレース展開を把握できるようにしましょう。