競馬には通常のレースとは異なる「障害レース」というものがあります。コースに設置された障害を飛び越えながらレースを行っていくもので、人間のハードル競争に近いものがあります。
ジャンプレースとも呼ばれており、通常のレースとはルールや予想の仕方が大きく異なります。中には、どうやって予想をしたらいいか分からずに、買ったことがないという人も多いと思いますが、障害レースならでは魅力があり、配当にも十分期待することが出来るので予想をしてみると意外とハマるかもしれません!
また、障害レースで活躍していたオジュウチョウサンが平場の2018年の有馬記念に挑戦したこともあり、障害レースの注目度は上がって来ています。
そこで、この記事では障害レースを予想する時のコツを紹介していきたいと思います。障害レースに挑戦したことがない人や、今度初めて挑戦するという人の参考になると思うので、是非最後まで読んで見てください!
障害レースとは?
まずは障害レースについて詳しく紹介していきたいと思います。平場レースと異なる点も多くあるので、障害レースの特徴についてしっかり把握することで予想にも反映させることが出来ると思います。
障害レースはJRAが主催している中央競馬で開催されており、東京、中山、京都、阪神、福島、新潟、中京、小倉の8つの競馬場でレースが行われます。
コース上には複数の障害が設置されており、競走馬はそれをジャンプしながらゴールを目指していきます。
1日でだいたい1~2レースくらい開催され、障害レースファンも多く存在しています。また、未勝利競技では3000m以下で行われますが、多くのレースは3000m以上で開催されるため、平場レースよりも長い距離になることも一つの特徴だと思います。更に、背負う斤量も平場よりも重くなり、60kg前後になることが多くあります。
また、乗り越える障害にも種類があります。存在している障害の種類は以下のようになります。
- 生垣障害:普段目にするような樹木が並んだ障害ですが、密度が濃いため乗り越える時にはパワーも必要になります。
- 竹柵障害:竹ぼうきをひっくり返したような障害になります。勢いよく飛び越える必要があり、勇気が必要になります。
- 水濠障害:生垣の奥に水が溜まった堀がある障害になります。近い場所に着地すると深くなっている為、生垣を大きく飛び越える必要があります。
- グリーンウォール:人口で作られた竹柵の障害になります。
- バンケット:坂を上り下りする障害になります。飛び越えるのではなく、山や谷を走って超えていく障害物です。
- ハードル:芝コースの上に設置する、人の手によって作られた竹柵障害になります。
以上のような障害があり、競走馬によってはそれぞれの障害に得意不得意があります。障害レースの経験が豊富だからと言って、他の障害物でも勝てるかというとそうではありません。それぞれの経験が必要になるので、こちらも合わせて覚えておきましょう。
障害レースを予想する時のコツ
それでは本題の障害レースを予想する時のコツについて紹介していきたいと思います。平場のレースとは異なる予想方法が必要になる為、初めて予想するという人は是非参考にしてみて欲しいと思います。
平場のレースで成績を残している競走馬に注目
まず注目するべきなのは、平場のレースの成績です。基本的に障害レースに出走する競走馬は、元は平場のレースを走っていた馬ばかりです。いきなり最初から障害レースに出るということはありません。
その為、平場時代の成績は予想をする上で重要な要素になります。中には1,2戦しか走っていない競走馬もいますが、10戦以上平場を経験している競走馬も珍しくはありません。
障害レースとは言え、コースを走ることには変わりありません。スタミナやスピードなどは通常のレースと同じく予想には必要になるので、障害以外のレースにも着目するべきだと思います。
もちろん、障害での成績も重要になりますが、悩んだ時には最終的に平場時代の成績で決めるというのもありだと思います。
障害レースのキャリアに注目
次に紹介するのは障害のレースキャリアです。基本的に障害初挑戦の競走馬は切りで良いと思います。それくらい障害レースに出走したことがあるという経験は大きく、障害デビュー馬は基本的に大敗しています。
障害レースで敵なし状態だったオジュウチョウサンでも、障害初挑戦のレースでは14頭中14着と最下位に終わっています。次のレースでは2着と実力を発揮していますが、まれなパターンかもしれませんね。
また、経験が重要になりますし、平場から転向している競争馬が多いので、活躍している競走馬は平場のレースと比較すると高齢になっています。2019年の中山グランドジャンプを勝利した時のオジュウチョウサンも8歳だったので、平場レースと同じ感覚で年齢を見ると外れることも多くなるかもしれませんね。
さらに、上記でも説明しましたが、障害と言っても種類は豊富です。競走馬によって得意不得意があるので、どの障害の経験があるのかも注目するべきだと思います。
軸にする馬はその生涯で好成績を残していることが条件になると思います。経験が浅く、さらに好走できていない競走馬はある程度軽視しても問題はないと思います。
鞍上する騎手に注目
平場レースでも騎手の能力はとても重要になりますが、障害レースではそれ以上に注目するべきポイントになっています。基本的に障害場は、普段の調教から主戦となるジョッキーが行っているので、レースだけではなく競走馬を育てるという意味でも騎手が重要になるのです。
レースで急に乗り替わるということもほぼないため、レース中の能力だけだけではなく、常日頃の調教も共にし、馬と一緒になって戦っていくのです。
また、障害レースの騎手は平場レースの騎手とは異なります。武豊さんがいきなり障害に出る!なんてことはないのです。逆にオジュウチョウサンが平場に挑戦した時には武豊さんが鞍上し話題になりましたね。
その為、上手い騎手が勝つということも珍しくないので、騎手を見て買うというのも一つの手だと思います。
ではここで、2019年の障害レースのリーディングジョッキートップ3を紹介したいと思います。
- 森一馬騎手
- 白浜雄造騎手
- 石神深一騎手
となっています。上記の3名がレースでる時は欠かさずにチェックするようにしましょう。また、競走馬と騎手の相性もあるので、上位の騎手だけではなく、その馬とどれだけ良い成績を残せているかにも注目すると良いと思います。
血統に注目
障害レースは平場よりも距離が長くなるので、長距離適性が良いと思われていますが、意外とそういう訳でもありません。もちろんスタミナもとても重要になりますが、障害を超える時には歩幅を合わせてジャンプすることもありますし、乗り越えた後にすぐに走り出せる瞬発力が求められるレースでもあります。
また、高齢での出走が多くある為、早熟タイプよりも晩成タイプの血統の方が向いているとも言われています。活躍している障害場を見ると、晩成型で有名なステイゴールド産駒の活躍も目立っていますね。
さらに瞬発力に強いディープインパクト産駒も少なくなく、他にもダートに強いクロフネ産駒やアドマイヤムーン産駒などが多く活躍しているので、出走する際には注目するようにしましょう。
ちなみに、障害で大活躍したオジュウチョウサンはステイゴールド産駒となっている為、やはり晩成型が強い傾向にあると思います。
逃げ・先行馬に注目
障害レースで有利な脚質は逃げ・先行と言われています。その理由は、コーナーを何周も回ったり、障害を乗り越える為、後続がスピードを出して追い抜くという場面が少なくなるからです。
前に行った競走馬がそのままゴールするということが多くあり、最初のスタートダッシュはとても重要になります。
また、レースによっては最後の直線に障害がある場合と無い場合があります。無い場合では、後続の競走馬にチャンスが生まれますが、もし障害があるのならやはりスピードに乗ることができないので、前残りになるパターンが多くなります。
障害レースは荒れることが多い?
障害のレースは平場のレースよりも中穴人気の回収率が高い傾向にあるのをご存知でしょうか?その大きな理由に落馬があります。何度もジャンプをする障害レースでは落馬する確率は平場とは比べものになりません。
どれだけダントツの人気馬でも落馬する可能性があり、そうなった場合は中穴の競走馬が勝利するというパターンが多くなるのです。
逆に言えば落馬がなかった時には人気順に決まることもある為、予想は難しくなりますね。
ド本命の上位人気馬で馬券を買うのか、それとも荒れる予想で馬券を買うのかの二択で予想する人が多いようです。落馬を祈るというのはモラル的に良くないですが、障害レースでは落馬が多いということだけ覚えておきましょう。
過去に高額配当になったレースでは、2002年の新潟競馬場の5Rで馬単で432,080円という金額も記録しており、当時のJRAの馬単最高記録になっています。その時には障害初挑戦の馬が勝利しており、予想をしている人が少なかったのが原因のようです。鞍上した騎手がかなり上手かったとも言われていますね。
まとめ
今回は障害レースを予想する時のコツについて紹介させていただきましたが、参考になりましたでしょうか?普段、競走馬がジャンプしている姿を見ることはないと思いますが、障害レースでは鍛えられた障害場の大迫力のジャンプを見ることが出来ます。
荒れたレースでは高額な配当になることもある為、コアな競馬ファンにもおすすめです。予想は通常とは異なる為、馬券を買う時にはしっかりとコツを把握してから購入するようにしましょう!
中には障害レースは買ったことがないという人も多いと思いますが、これを機に是非挑戦してみて欲しいと思います。