単純予想を変える一手!競馬場の天候が大きく関係する3つの要素を徹底紹介

予想 天候 ファクター

競馬の予想をしようというとき、まず気になるのは天候と馬場状態です。
当日の馬場状態は、当日に天候に大きく左右されます。
広大な敷地を必要とする競馬場で行われる競馬は当然、天候による影響を受けます。
雨や風だけではなく、雪や台風なども競馬に影響を与えます。
では、天気によって競馬にはどのような影響があるのでしょうか?
そんな内容も踏まえ、この記事では天候と競馬予想の関係性を軸に説明いたします。

予想要素① 競馬場の水分量で決まる馬場状態

予想 天候

競馬場は、芝やダート(土)でコースが出来ており、天候の悪化によって水分を多く含む時や、感想して水分量が少ない時が存在します。
競馬主催者はレース前に馬場を実際に歩いて、コースの含水量を計測しています。
その含水量の割合を4段階に分けて、発表しています。

含水量:良 < 稍重 < 重 < 不良 という風に分けられています。
「硬い」・「軟らかい」でも表現されることがあり、含水量が少ないほど「硬い」と言われ、含水量が多いほど「柔らかい」と表現されます。

天候によって、馬場状態は大きく変わり、予想にも「天候」「馬場状態」「予想」という3つが大きく関わって来る事がわかると思います。
まずは、水分量で大きく変わる4つの馬場状態を説明します。

良馬場

馬場状態では1番含水量が少ない馬場の事を言います。芝コースの場合は1番スピードが出やすい馬場です。つまり実力通りの結果が出やすい状態という事です。
ただしスピードが出やすいという事は、脚にかかる負担も大きくなるため、故障率が上がる傾向にあります。
よって、海外では含水量が少なすぎる場合、散水することによって、含水量をわざと高くする事が多いです。

稍重馬場

重馬場よりも乾燥してる馬場状態の事です。
芝コースでは、芝に中途半端に水分がついている状態なので、滑りやすくなっているため、良馬場より走りにくくなるのですが、ダートコースの場合、湿り気があるこの馬場の方が、
良馬場よりも走りやすい傾向にあります。

重馬場

稍重よりも水分量が多く、負良馬場よりは少ない馬場です。
「馬場が悪化した」と言われる基準が、この馬場状態と思ってください。
芝コースでは、重馬場になると走破タイムが良馬場に比べて、数秒~10数秒程遅くなります。
逆にダートコースは、重馬場の方が速くなる場合もあります。
この馬場状態ぐらいから、競争馬の馬場状態による得手・不得手が出てきます。

不良馬場

重馬場よりも含水量が高い馬場状態の事です。
ダートコースでは水が浮き出てきて、水たまり状態になっています。
重馬場同様、芝レースは時計が遅くなる傾向があり、ダートコースは、重馬場よりも時計が速くなる傾向にあります。

トラックバイアスについて

馬場状態の差異のことをトラックバイアスと呼び、トラックバイアスが顕著になればなるほど、展開への影響も大きくなります。トラックバイアスが発生する原因となるものには、開催の進行と、天候の変化の2つがあります。

基本的には、開催の進行によりトラックバイアスが発生し、開催が進めば進むほどそれは顕著になっていきます。突発的にそのトラックバイアスを無にしてしまうのが、天候不良による馬場悪化です。天候不良による馬場悪化は、馬場全面に影響が出るので、トラックバイアスをフラット化してしまうのです。

予想要素② 天気の変化と予想

予想 天候
天候とはつまり、「雨が降るのか」「雨が止むのか」「晴れるのか」など、その名の通りレース当日の天気のことです。
日本が4段階なのに比べ、海外では馬場状態が7段階にも9段階にも細かく分けられていると上でご説明いたしましたが、これはつまりそれだけ細かく分類することに意味があるからなのです。
例えば雨上がりで「稍重」なのか、それとも現時点で雨が降っていて「稍重」なのか。同じ稍重だったとしても、雨が上がり晴れ間が出ている状態で、回復しつつある「稍重」なのか。
それとも、まだまだ天気は悪化しつつあり、これからもっと馬場が悪くなりそうな状態での「稍重」なのか。こう言われると随分差があるということが徐々にわかってきますよね。
過去レースで例えるなら2007年のNHKマイルカップでしょう。この日のNHKマイルカップは稍重でも悪化しつつある稍重でした。しかし、翌年2008年のNHKマイルカップは回復しつつある状態の稍重です。
悪化稍重の2007年NHKマイルカップでは大外からピンクカメオが一気に決め、2008年のNHKマイルカップでは内目を突いた3頭が上位を占めるという結果になりました。
日本の馬場状態の分類は4種類しかありません。シンプルだからこそ、雨が降るタイミング、雨が止むタイミング、晴れるタイミングなどにも気を払い、競馬予想に活かす必要があるのです。
また、そこが他の競馬ファンとはまた違った競馬予想を披露して楽しむことが出来るという競馬の楽しさの1つでもあると思います。

天候不良による一時的な馬場状態の変化

予想 天候
馬場が悪化するもう一つの原因として、雨や雪を伴う天候の悪化があります。雨や雪によって馬場が水分を含み、芝コースは路面が緩くなり、ダートコースでは路面が硬くなります。つまり、芝コースは走りにくくなり、ダートコースは走りやすくなることになります。また、馬場全面の状態が均一化され、トラックバイアスがフラットになります。

内と外のトラックバイアスが均一化される

開催の進行によるトラックバイアスが存在したとしても、天候悪化によって、それはほぼフラットになります。馬場全体が水分を含むことによって、開催進行による馬場の悪化よりも馬場の侵食のスピードが速くなるからです。

内と外のトラックバイアスがフラット化することによって、それまでの外有利の状況が一変し、逆に内有利の状況が復活します。内を通る際の距離的な恩恵が、再び強い影響力を持つようになるからです。

また、芝コースに関しては、馬場が水分を含んで緩くなることによって踏ん張りが利きづらくなり、その結果スピードが出にくくなります。そのため、差し脚質の馬は最後の直線でトップスピードに乗せることが難しくなり、先行脚質の馬とそれほど変わらない上がりしか使えなくなります。その結果、差し脚質の馬が追い込んで届かずというシーンがよく見受けられるようになります。

天候不良によってトラックバイアスがフラット化すると、内枠の先行脚質の馬が一気に台頭する下地が出来ることとなります。もし、内枠の先行脚質の馬が台頭しないようならば、それはまだ天候不良による馬場悪化が、開催の進行による馬場悪化を上回ってないということになります。

予想要素③ 雨天時のレースは荒れる

予想 天候
みなさんも知っているように、競馬は基本的には雨でも決行されます。
結論から言いますと雨の日は競馬が荒れる傾向が強くなります。
それはなぜでしょうか?
それは、芝コースでは、重馬場以上になると走破タイムが良馬場に比べて、数秒~10数秒程遅くなり、芝の脚抜けが悪くなるからです。
逆にダートコースの場合は、脚抜けが良くなり、重馬場の方がタイムが速くなる傾向にあります。
つまり、芝のレースの場合、良馬場で走った場合には走破タイムに及ばない力しかない馬でも、レースの走破タイムが落ちるので、上位争いに食い込める可能性があります。
また、ダートレースの場合は、逃げ・先行の馬が良馬場のレースだとバテる展開であっても、脚抜けが良くなる分、そのままレースを押し切ってしまいます。

【芝とダート別】雨の日に強い血統と脚質は?

上述をしたように、雨の日の芝は走破タイムが落ち、ダートは逆に走破タイムが速くなります。まずはこの傾向を抑えましょう。
その上で特に芝のレースの場合は、重馬場以上を得意としている競走馬(全体の成績は悪いのに、重馬場の時の成績は良い)を狙いましょう。
血統的に言うとオペラハウス・サドラーズウェルズ産駒が雨の日のレースに強い傾向があります。
なぜこのようなことが起こるかというと爪の形質によります。
爪がコンパクトで立っている馬は足抜きがよく、雨の馬場でも強いのです。
馬券としては脚質的には逃げ・先行馬、枠は内枠の馬が圧倒的に優位です。
芝レースでは差し・追い込み馬のいわゆるキレる脚(スパート)が使いづらくなります。
さらに芝レース、ダートレース共通して、内枠の方がロスなく回れるため、最後バテづらくなります。

まとめ

今回は、競馬予想で重要な天候に関連した要素を3つ紹介しました。
競馬予想に関して、天候の変化は馬場状態が変わる要因として、非常に重要だという事が解ってもらえたと思います。
競馬は、動物が走りレースをするものです。
雨が得意な馬もいれば、晴れな得意な馬も存在しますし、後続を走る馬に関してはドロハネを嫌がり、本来の力を発揮出来ない場合も存在します。
競馬予想の中で、天候の確認、馬場状態の確認は必須とも言えるでしょう。その中で、いかに馬の特徴を踏まえながら、予想をしていく事が重要になります。
しかし、天候だけが競馬予想ではありません。天候を加味しながら予想をしなくてはならないので、非常に奥が深いと言えます。
馬場の状態の差異のことをトラックバイアスと呼び、トラックバイアスの存在が、展開に影響を与えます。トラックバイアスが発生する原因となるものには、開催の進行と、天候の変化の2つがあります。
開催前半は、馬場状態が全面的に良好なため、トラックバイアスは存在しません。そのため、距離の恩恵を受ける内が有利となり、内のポジションを確保しやすい内枠の先行馬が有利となります。
また、雨の日の芝は走破タイムが落ち、ダートは逆に走破タイムが速くなります。
雨の日は荒れることが非常に多い競馬、普段本命党の人も、雨の日は上述した傾向を参考に予想も少し冒険をしてみても面白いかもしれません。
天候に関しては、馬場状態と脚質が大きく関わってくる事を意識して予想しましょう。